30cmキューブ水槽が崩壊したので生体がいなくなったので、
硝酸塩が結構ある状態のところに本みりんを入れてみました。
みりん



嫌気性バクテリア

水槽内にて発生する硝酸塩を還元するのは嫌気性バクテリアです。

嫌気性バクテリアには、無酸素状態でないと生きられない偏性嫌気性バクテリアと、
酸素があっても生きられる通性嫌気性バクテリアがあります。

プロテインスキマーで曝気している海水には通性嫌気性バクテリアが、
ライブロックや濾材、底砂には偏性嫌気性バクテリアが棲みつきます。

脱窒工程における水素供与体

亜硝酸塩、硝酸塩の脱窒工程(窒素ガスへの還元)における化学式は下記になります。
NO2-+5H(水素供与体)→ 1/2 N2↑+H2O+OH- 
NO3-+5H(水素供与体)→ 1/2 N2↑+2H2O+OH- 
(産業管理協会の汚水処理特論より)

この際、水素供与体というものを加えることで脱窒を行っています。
そして、効率良く脱窒を行うには、この水素供与体が必要になります。

水素供与体にはメタノールや酢酸がありますが、他にも
廃糖蜜を利用した実験エタノールを利用した実験もあります。

水素供与体としての本みりん

Wikipediaのみりんの記事を見ると、本みりんには100g当たり下記の栄養素が含まれるようです。
また、約40~50%が糖分(グルコース、イソマルトース、オリゴ糖等 ※全国味醂協会より)、
約14%がアルコール(エタノール)とのことです。
これは成分的にも脱窒に必要となる水素供与体として問題なさそうです。
エネルギー1,008 kJ (241 kcal)
炭水化物
43.2 g
タンパク質
0.3 g
ビタミン
ビタミンB6
(1%)
0.01 mg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
3 mg
カリウム
(0%)
7 mg
カルシウム
(0%)
2 mg
マグネシウム
(1%)
2 mg
リン
(1%)
7 mg
(3%)
0.05 mg
他の成分
水分47.0 g
アルコール (エタノール)
9.5 g
この成分表を見ると、アルコールの他にビタミンとかミネラルとかも含まれているんですね。
みりんは水ではないですが100g≒100mlとしても100mlを一度に入れることはないですので、
水槽内に入る栄養素は本当に微量になります。

海水水槽に本みりんを添加

30cmキューブ水槽に本みりん20ml(養命酒1回分程度)を1度に入れてみました。
入れた直後は特に変化はないのですが、翌朝見てみると、
image1
びっくりするほど白濁りしていました。

水槽内のガラス面に白い膜がついているわけではなく、海水自体が白く濁っています。
プロテインスキマーによる曝気をしているため、酸素不足ということはないはずです。
こちら写真だとこんな感じですが、肉眼だとさらに白く見えます。

ちなみに、貝が入っていますが中身は空です。
image2
そのまま特に手を加えることもなく、さらに1日経過したのがこちらです。
白濁りが消えています。試しに画面中央にマガキガイを入れてみていますが、
こちらは問題なく活動しています。
image1 (57)
こちらが白濁り後に一晩でスキミングしたものとなります。
溢れるのではないかと心配したものですが、思ったより多くはありません。

1度に入れる本みりんの量は、30cmキューブ水槽であれば20mlは過剰だったように見えます。
そのため、5ml10mlと段階的に増やして様子を見るのが良さそうです。

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